「世界一への道」松崎猛・その1

2009.06.03 Wednesday

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    本日、6月3日午前2時5分に、米国アトランタから帰国した松崎氏より「報告」のメールが届いていた。  早速コピーして以下に紹介する。 上の添付写真はアトランタで開催された世界最大のナイフショー《ブレード・ショー》の開場で公開された各賞の報告((メッセージボード)


     こんばんは

     先ほど帰宅致しました

     何なんでしょうかね?
     今だ、実感が沸きません
     本当に受賞したのでしょうか?
     表彰式も無く、トロフィーの授与も無く(後で送られて来るらしい)、メッセージボードのみの報告だけ

     Blade Show Custom Knife Award
    Best Miniture - Yoshio Sakauti
    Best Folder +Best of Show - Matsusaki Takeshi

     同行の坂内さんは2年連続、ベスト・ミニチュア受賞です

     ベスト・フォルダーにはアメリカで超有名どころの、マルチブレードを得 意とする方が出展されて居られました
     審査員の判断でいくらでもその方に賞をあげる事は出来たはず
     でも、松崎さんが受賞したことの証として
     アメリカのなんと言う公平さ、偉大さを感じます
     と、アメリカ在住の日本人記者が感激して報告してくれました

     Ryu.k「なんかおかしいとおもわん?」
     まほ〜「うん、思う」
     Ryu.k「なにかの力がはたらいている」
     まほ〜「先祖の徳なのよ〜」

     青龍の力はアメリカまでも届くのか?

     このナイフをオーダーしてくれたお客様、仲介してくれた Mr Simon
     マルチブレードの考え方を教えてくれた倉本氏
     ナイフ・メーキングの基礎を教えてくれた宮田氏
     応援してくれた速魚川の皆々様
     昨年、ブレードショーに連れて行ってくれた相田社長
     そして、家族に
     
     ありがとう



    上の添付写真が【世界一】に認定されたナイフ。  以前(4月)のコラムにも同写真を添付したが、その時点ではまだ完成したばかりの状態だった。  以下に、掲示板から作家の臨場感が伺える文章をピックアップして添付した。

    松崎猛がまた世界一!! 投稿者:猪原 投稿日:2009/05/30(Sat) 12:41 No.7773

    つい先程、アメリカのアトランタで現在開催されている世界最大のナイフショー【ブレード・ショー】に参加しているわれらがまほ〜ちゃん(松崎猛)より、緊急の電話が入った。

    「2009年度、世界中のナイフ作家や関係者が集まる【ブレード・ショー】において、『ベストフォルダー』と『ベストインショー』に選ばれました。  文字通り、世界一になりました!!   今から祝杯を挙げに行きます。」

    とんでもないことになってしまった。  この地球上にいるあらゆるナイフ作家の頂点に、名実ともになってしまったのだ。

    『ベストフォルダー』は、フォールディングナイフ(折り畳み式ナイフ)部門において、世界一ということであり、『ベストインショー』は、これらの各部門の世界一の中から、部門を越えて世界一のナイフ作家に贈られる賞の事だ。

    今後、どうするのよ?   まほ〜ちゃん!  

    火曜日の午後10時に福岡空港に到着、いや凱旋するらしい。メディアがやかましくなるだろうね。  あのメジャーの【ブレード・ショー】で、日本人が初めて堂々と世界一になったんだから。  とにかくおめでとうございます。   よかった!よかった!!


    風龍 > やったね!おみごと!おめでとう!  (福岡の書家・井上龍一郎)

    まほーちゃんはね、アメリカの旅の大きなトランクをごろごろ引っ張ってアトリエに来た。
    その中に、ナイフが、あのナイフが入っていると思った。
    すき焼きを食い、ワインを飲んだ。腹は落ち着いた。
    そろそろいいかなぁ。と思い、恐る恐る切り出した。
    「あのナイフを見せてよ〜。ごろにゃ〜ん」
    まほーちゃん。大きなトランクには目もくれず、肩掛けの小さなバックを引き寄せた。
    ごそごそと探したあと、ひょいっと取り出した。
    柔らかい皮のハンカチみたいなものに包まれたどでかいナイフがごろんと出てきた。

    「これが、あのナイフだね」
    「うん。そう」

    会話はそれだけだった。ボクは手に取り撫でまわした。それを、まほーちゃんじっと眺めていた。
    なんだか神聖な時間であったような気がする。
    しばらくそうして、皮のハンカチに静かに、丁寧に包みなおして、まほーちゃんに手渡した。
    まほーちゃんは、愛おしそうに肩掛けバックにしまった。

    他のナイフは、大型トランクに入っていた。
    しかし、あのナイフだけは「肌身離さず」持ち歩くつもりらしい。特別の一本なんだから。

    よかった!ほんとによかった!おめでとう!まほーちゃん!
    もう、金髪のねえちゃんのケツに、目を白黒させていいぞぉ〜!
    祝杯だぁ〜! (5/30-21:23) No.7774

    ナイフが完成しました!!

    2009.04.23 Thursday

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      速魚川佐世保支局特派員報告がメールで届いた。  《宴 水回廊》に参加できなかった佐世保のナイフ作家:松崎猛氏からだ。

      以下、メールの文章をそのまま添付する。  その方が臨場感があるし、制作者の意図がよくわかりそうだ。  スプリングが折れたの小生のせいじゃないからね。  でも、完成した現物見たかったなぁ・・・・そのままアメリカに行っちゃうのかぁ、添付写真のナイフ・・・

      速魚川、佐世保特派員報告

      アメリカのお客様よりのオーダーでビッグナイフを昨年の7月より作っておりました。
      先日、15日にもう目処が付いたので、4連休だし井上先生&本田名人の個展があってるし、鯛でも下げて完成披露をかねてお祝いに行こうかなと井上先生に確認。
      土日は島原に行きますと言うことなので猪ちゃんにも連絡する。
      土曜日の夕方宴会開催決定する。

      昨日、16日夜勤明けの疲れた体にムチ打って13時より21時まで最後の仕上げ作業。
      21時には、あと1,2時間で完成するところまできて無念!
      張り詰めた気が疲れから、諦めに変わる。
      明日には完成させようと一杯飲んで寝る。

      明けて17日、4時起床。
      6時には完成する。
      写真撮影に入る。
      すべてのブレードを開き、ブレードの開き加減を調整する。

      「ぴぃ〜〜〜〜〜〜〜ん」

      何、何
      今の音???

      何かの破片が目の前に?
      何これ・・・
      もしや、えっ、まさか
      スプリングの破片?
      2ミリの厚さで作った8層目がのスプリングが飛んでいる
      なんということぉ〜

      そんじゃぁ
      他の2ミリの厚さの部分はどうなの?

      6層目「ぴぃ〜〜〜〜〜〜〜ん」

      4層目「ぴぃ〜〜〜〜〜〜〜ん」

      2層目「ぴぃ〜〜〜〜〜〜〜ん」

      拙者の気持ちも「ぴぃ〜〜〜〜〜〜〜ん」・・・
      目の前真っ暗、6時で外は明るくなって来たのに・・・

      もう少しで泣きそうになりました。

      放心状態・・・


      でも、お客様に渡る前で良かったやん(天使の声)
      そいばってん、またスプリング4枚作って、本体ばらして調整してまたぁ組まんばとばい(悪魔の声)
      アトランタまで1ヶ月ちょっとあるから間に合うたい(天使の声)
      そうたいね(悪魔の声)
      とりあえず写真だけ撮らるっばい、今撮っておけばやり直してから撮らんでよかろうもん(悪魔の声)
      そうたいね(天使の声)

      そうこうした葛藤が有りながら写真をとりあえず撮る。

      7時近くになり子ども会で交通当番の旗振りに出かける。

      8時に帰ってきて早速、4枚のスプリング作製に取り掛かる。

      折れた原因は、お客様よりスプリングのテンションは硬めにとの依頼で
      長さ25ミリで根元が3.0ミリ先端は2.0ミリに調整したスプリングが硬かった。
      松葉スプリングという形状で2本のブレードを上と下から押さえる構造になっている。
      片方ずつの開きのテストはしたのだが両方開いたときにどうなるかのテストをするのを忘れてしまった・・・
      それを長さ25ミリで根元が2.8ミリ先端は2.0ミリに調整して作製する。

      10時前
      猪ちゃんにとりあえず報告の電話を入れる。
      初めはテンション低めの猪ちゃんの受け答え。
      失敗したことを伝えると声が弾んで、ハイテンションに成るのが分かる。

      そんなときの作家の気持ちはどうなの?
      などと、呑気な人ごとの様な質問を受ける。

      じゃぁ
      明日は来ないの?

      いえ、今日スプリングを作製して熱処理に出したら何もすることが無いので来ます。

      おいで、おいで
      宴会は19時からやる予定だから
      みんなで慰めてあげるよ。

      そんなこんなで
      土日は島原です。

      その4

      2003.11.20 Thursday

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        添付写真は「バレル・ナイフ」。ハンドル材は、鯨の歯(マッコウ鯨?)である。
        全体のフォルムを観ていると、宮崎駿(はやお)監督のアニメ映画「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」をなぜか連想してしまうのである。(ロボットとか虫を連想するからかなあ・・・・)
        従来のフォールディング・ナイフ(折り畳み式ナイフ)の常識を覆した四面体のナイフであるが、それぞれのブレードの軸(ピン)はどういう角度で収められた構造なのだろうか?
        「私のオリジナルではないのですが、制作にはかなりの手間と技術がいるナイフです。」と松崎氏は語る。
        22日からの作品展の時、内部構造について尋ねてみようと思っている。
        「バレル・ナイフ」の”バレル”は樽(たる)の事だろうが、なるほどボディーは樽に見えないこともない。
        ナイフは「凶器」と思い込んでいる世情は逆に恐い。
        庖丁もカナヅチも金属バットもブロックもすべてが凶器になった原因の一つは、自然に入り、道具を使っていろんなものを作らなくなり、部屋にこもって「安全」なボタンだけ押す事を強制されたからだと思えるのだ。
        肥後守(ひごのかみ)ナイフをポケットに忍ばせ、野山や川を走り回り、想像できるいろんなものを作ってもよかった時代があった・・・・右利きだから40年経っても、左手には複数の切り傷が残っている、その時の流れた血の色や痛みの記憶と共に・・・・
        圧倒的に足らない実体験・・・五感を使って「そのもの」を確かめるチャンスを逸すると、残るは、映像だけのバーチャルな間接体験・・・自分が痛みを経験しないと他人の痛みなんて本当にわかるはずがない。
        そして、平気で人を傷つけられる土壌が出来上がっていく。
        テレビゲームみたいにリセットさえすれば、相手の傷は消えて再び生き返ると思えるのだろう。・・・・
        本当に日本人は「道具」を使わなくなった。
        モノを作らなくなった。・・・・・とても残念な事である。

        その3

        2003.11.19 Wednesday

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          添付写真は「シープフット」。別名「KATANA」。
          ハンドル材はイミテーションべっ甲で、ブレードは青紙割込(最高級のハガネである「青紙鋼」を軟鉄の地金に割り込んだもの)。
          これも、美しい・・・・
          「シープフット」と言うくらいだから、ハンドル部のフォルムが羊の肢(あし)をイメージしているのか?
          ブレードの二層に異なる輝きは、もろに「刀(かたな)」の刀身をイメージしてしまう。
          東洋的な妖しさが漂う不思議な作品である。
          作家が制作したそれぞれのナイフには、いろんなストーリーが込められていて、観る側の想像力をかきたて、無限大のロマンの世界へ誘(いざな)ってくれるのだ。
          松崎氏のホームページを覗いていただければわかるが、出来上がった作品群の紹介と同じウェイトで「ナイフ・メーキング(ナイフ作り)」の紹介が掲載されている。
          これはナイフづくりの面白さ、魅力を知ってしまった本人が、より多くの人にその歓びを知ってもらいたい、ナイフ作りに参加して欲しいというメッセージが込められていると思えるのだ。
          このコラムを覗いていただいている人たちの中で、ナイフ作りに興味を持った方がおられたら、是非、松崎氏に連絡をして欲しい。
          彼は惜しげもなく、今までに蓄積してきた技術やノウハウを教えてくれるはずである。
          自分が過去、いろんな先輩達に優しく教えてもらった喜びを知っているからだ。

          その2

          2003.11.18 Tuesday

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            添付写真は「ウォンクリフ・ウィットラー」。
            ハンドル材はアイボリー(象牙)。  美しい・・・・・
            工場で大量生産されているファクトリー・ナイフ(マスプロ・ナイフ)とは、美しさ、精度、繊細さにおいて全く次元が違うのである。
            すべての行程(設計から仕上げ研磨まで)をたった一人の人間が行う、世界でたった一つのナイフ・・・・それがカスタム・ナイフの魅力だ。
            2002年度でグランプリを手にした松崎猛氏(長崎県は元より九州でも初めての快挙である)は、今年の10月のJKG(ジャパン・ナイフ・ギルド)カスタムナイフショーにも当然、出展し、グランプリや優秀賞などの賞を獲ったのだろうか?・・・・・
            ここだけの話だが、実は・・・・出展する予定で作品も制作し、準備万端整えて、多くの知り合いに招待状も送付していたのに・・・・なんと・・・「盲腸」で直前に急遽入院してしまったのである(!?)。
            これは本人の名誉のため{ここだけの話}にとどめて欲しい。
            内緒の話はあのねのね。(松崎さん、ごめん!!)
            松崎氏ご本人には気の毒だったが、JKGに出展予定の作品も当店の作品展で(初の)お披露目という有り難いことになってしまった。
            どんな作品を持って当店の会場に乗り込んでくるのか今から楽しみである。
            「クリスタル・パレス」は来年のアメリカ最大のナイフショーに出展される予定である。
            すでに、国内ではメジャーであり、今年アメリカで世界デビューを果たした友人の川村龍市氏(島原出身ですぞ!!)に続くことになる。

            松崎猛のカスタム・ナイフ作品展 in 速魚川

            2003.11.17 Monday

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              栗原小巻氏とのツーショットの写真をコラムに出した後、更新するのは現実に引き戻されそうで正直いやだった。
              随分ヒンシュクも買ってしまった(ヒッヒッヒッヒ・・・・)。
              握手した時の小巻さんの手は暖かかったなあ・・・・・
              しかし、いつまでも女優との逢瀬に自己陶酔している訳にもいかない。
              次は「男のロマン」である。
              われらがナイフ作家・松崎猛(まつさき・たけし)氏のカスタムナイフ作品展がいよいよ土曜日に迫った。
              会期は今月の22日(土曜)から24日(月曜)までの3日間。三連休である。
              添付写真は昨年のコラムで何度か紹介したことがある、昨年度のJKG(ジャパン・ナイフ・ギルド)カスタムナイフショーでグランプリを受賞した「クリスタル・パレス」である。
              「荘厳」と言うか「豪華」と言うか、とにかく作品本体から発せられるオーラに圧倒されてしまう。
              そもそもこの「クリスタル・パレス」というナイフは、19世紀のイギリス王室に献上するために作られたものなので、王族の日常生活に使う機能が満載されている。
              乗馬時の馬の蹄(ひづめ)の泥落とし用フック、女王か王妃のガードルの紐(ひも)を締める時のフックなど・・・・現在の多目的ナイフ(スイスのウェンガーやビクトリノックス社)にはない、当時の様子がうかがえる構成になっている。
              今回の作品展では、この「クリスタル・パレス」を中心に、いろんなスタイルのカスタム・ナイフを約25丁ほど展示する予定だ。
              また、ナイフが完成するまでの行程を、材料などを展示して説明し、ナイフづくりの楽しさを松崎氏本人が紹介するコーナーも設ける。(これは必見かも)
              松崎猛(まつさき・たけし)・・・・本業は製氷会社勤務のサラリーマン、家業は米とミニトマトを作る農業(最近は古代米である黒米も作っており、当店でも販売している)、空いた時間でナイフを作るという3足のワラジを履く驚くべきマルチ人間である。
              趣味の磯釣りでは五島列島や男女群島にまで出かけ「幻の魚・石鯛」を追いかける。
              納得のいく釣り用のナイフがなかった事から自分で作り始め、わずか十数年で日本一の栄冠を手にした。
              様々なスタイルのナイフを作るオールラウンドな作家である。
              1961年生まれ。佐世保市在住。三女の父。
              「MATSUSAKI KNIVES」のホームページは当店のトップページの「リンク」にリンクされている。
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