猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋

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その4 13:10
今回の美術刀剣展の中心になる「重要刀剣」をデジカメで撮影したが、やはり失敗。(デジカメのバカ〜!!)
ところが、2日間、松井氏のアシスタントをしてくれた長崎市の橋口氏がメールで写真を送ってくれたのだ。
添付写真がその重要刀剣である。松井氏の話では、一振りで自動車のベンツが1台買える値段だそうだ。(!?)
今回出品された美術刀剣には、ほとんどすべてに、財団法人・日本美術刀剣保存協会の「鑑定書」が付いている。
「鑑定書」は、ペットで言えば「血統書」と同じで、第三者の客観的評価を表わしており、どれ位の歴史的、あるいは作品的価値があるかの目安になる。
「鑑定書」を付けてもらおうと思っても、ほとんどの刀は付けてもらえない。
よく見ると、その価値のランクでおおまかに、「鑑定書」、「認定書」、「指定書」に分けられている。
「鑑定書」には、{保存刀剣}と{特別保存刀剣}の2種類があり、「認定書」には{貴重刀剣}と{特別貴重刀剣}、{甲種特別貴重刀剣}の3種類があり、「指定書」は{重要刀剣}のみに発行される。
添付写真の上が重要刀剣の刀「無銘 伝 当麻友行」である。
「指定書」には「 長さ70.9糎(センチ)、反り1.5糎  鎬造、庵棟、中鋒延び心、 鍛 板目流れ肌立つ、刃文直刃調浅く湾れ互の目交り沸付く、 帽子掃かけ焼詰め風、 茎大磨上、先切り鈩目勝手下り、目釘孔二、 (???)」と刀剣の特徴を書き込んだ文章の後に、「右者当協会において審査の結果 重要刀剣に指定する」と書いてある。
とにかく、盛況のうちに第4回美術刀剣展を終えることができた。
松井更生氏および、スタッフの皆さん、会場に足を運んでくださった多くの観客には感謝である。
3日の3時頃、長崎市の友人K(女性)が久しぶりに当店を訪れた。
「久しぶりたいねえ!!元気にしちょったと?」とか言葉を交わし、「友人のMと彼女のお母さんの3人で、遊びに来たとですが、駐車場が車でいっぱいなので帰ります」と言うから、「空いてるところに入れ込めば、何とか駐車できるよ」と言ったが、頑なに帰ろうとする。
夕方、彼女は再びMと二人で当店を訪れてくれた。
なぜ先ほどは帰ったのかと聞いたら「Mのお母さんが、刀剣展に来ている人は、【組関係者】が多いから、もし駐車してある車に傷でも付けると大変な事になるので帰ろうと言い張るものだから」と答えた。
あのねえ・・・刀=やくざ・・か?高倉健の映画の観過ぎじゃないの?・・・刀剣のファンは歴史好きの紳士ばかりなのよ!少なくても当店に来る観客は・・・
でも、フッと、夕方、当店を訪れた島崎氏の服装を思い出した。
黒の上下のスーツに、派手な赤地に黒の水玉模様のシャツ・・・・洒落にならないし、弁解の余地がまったく無いじゃないか〜!!
最終日の客はなんか、み〜んな・・変だった・・・・。


| 「第4回 美術刀剣展」 | - | - | posted by ino-haya - -
その3 13:00
二日目は朝から雨が降りしきり、「初日が大盛況でハードだったので少し疲れが残っています。今日は最終日だけど、雨が降っているので一息入れられそうです。」と言った松井氏の言葉とは裏腹に、人出は多く”大変な最終日”になってしまった。
午後から雨脚が強くなり、人出が途切れた午後2時ごろ、「もうそろそろ刀をしまいましょうか?刀剣には湿気が一番悪いので心配です。」と松井氏が相談に来られた。
「もし宜しかったら、もう少し待ってもらえませんか?この雨の中を、刀剣を楽しみに会場に向っている人もおられますので・・・・」と嘆願した。
「わかりました。もし錆が出たら、砥ぎ代を猪原さんに請求しますからね。」と笑いながら冗談を言われ、会場に戻って行かれた。
美術刀剣は雨の日には絶対に鞘から抜いてはならない。これは常識だ。
空気と鉄の温度差で、湿度の高い時は刀身に結露(水滴)が生じ易く、錆の原因になるからだ。
その常識を破ってまでも多くの人に観て欲しい・・・鑑定士の松井氏だったら何とかメンテナンスもクリアしてくれるはずだ。
この際だから思い切って甘える事にした。
鉄瓶も燃料タンク内も「結露」で失敗する。
ちゃんと空焚きして水分を飛ばし密閉して収納したのに、鉄瓶の内側に錆が生じて困るという相談を受ける事が多い。
「湿度」という言葉があるように、空気中には水分が含まれている。
温度が低くなると空気中に含まれている水分が飽和状態になり、液体に戻ろうとする(小学生の理科で習う)。
よく冷えたビールやジュースのコップの表面に水滴が付くのと同じ原理だ。
錆対策は簡単である。鉄瓶の場合は、収納する際に鉄瓶の内部に新聞紙をクシャクシャに丸めて、ぎゅうぎゅう詰め込むと大丈夫である。
内部にまとまった空気のスペースを作らないようにするのがポイントで、おまけに新聞紙が湿気を吸ってくれるし、活字インクの油分が鉄の表面に被膜を作って酸化(錆)を抑えてくれる効果もある。
燃料タンクの場合は、新聞紙などの詰め物が出来ないので、まったくの空状態(タンク内の燃料をすべて抜き取って、再びエンジンをかけ、キャブレター内の燃料もなくなり、エンストするまで回転させる)にするか、空気のスペースが無いほど満タン状態にしておく。
しかしこれも純粋ガソリンの場合であり、2サイクルエンジンに使用する混合油(ガソリンとオイルを混合した燃料)はひと夏で腐ったり変質したりするので、捨ててしまい、まったくの空状態にして保管するしかない。
添付写真は2日目に展示された「太刀」。
「太刀」と「刀」の基本的な構造は同じであるが、腰に紐で下げるのが「太刀」で、腰に差すのが「刀」。
腰につける時と同じで、展示してある刃の向きが、「太刀」と「刀」では上下逆である。
太刀は室町後期まででほぼその歴史を閉じている。
戦(いくさ)のスタイルが急激に変化した時代、つまり織田信長が鉄砲を使用し始めた頃と時期が同じなのは興味深い。
ぶら下げる(太刀)より、腰に直接差した方(刀)が動きやすく機動性が高まるからだろう。


| 「第4回 美術刀剣展」 | - | - | posted by ino-haya - -
その2 12:58
刃渡りが2尺(約60cm)以上のものを、刀と太刀、2尺未満〜1尺(約30cm)以上のものを脇差(わきざし、「脇指」とも書く)、1尺未満のものを短刀と呼ぶ。
添付写真は短刀である。短刀は男性よりむしろ武家の女性が所持していたという。
護身、あるいは自害用である。明治時代以降も、裕福な家庭の娘が嫁ぐ時に持たせられたという。
刀剣よりもあえて贅を凝らせ高価なものに仕上げさせた。
もちろん護身や自害用ではなく、嫁ぎ先で将来、もしも経済的に行き詰まった時に換金できるようにとの親心からだった。
添付写真の短刀の鑑定書には「 短刀 銘 徹心斎源吉一作(新々刀) 長八寸一分半 右は当協会において審査の結果、保存刀剣と鑑定しこれを証する」と記載されている。


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その1 12:54
主催者の松井更生氏は、今朝7時過ぎにはすでに会場に来て準備を始めた。
美術刀剣を一振りづつ丁寧に鞘から外し、刀身のみを裸にして白い布で丁寧に拭きあげた後、ディスプレイに飾っていく。
午前9時直前に展示が完成した。会場の空気がピーンと張り詰める。
「真剣」とは言うけれど、やはり鎌倉時代から南北朝、室町、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和までの刀匠たちの命懸けの真剣な【想い】が凄い迫力で伝わってくる。
会期が2日間しかないということもあり、初日から多くの観客がつめかけ、会場は立錐の余地もない位に盛況を極めた。
松井氏は約9時間、立ちっ放しで、次々に訪れる観客に懇切丁寧に説明をし続けた。
金物店の店舗のちょうど裏がギャラリーなので、松井氏の熱弁が小生の耳に入ってくる。
しかし、店舗のお客も多かったので持ち場を離れる事が出来ない。
欲求不満とストレスがどんどんたまっていく・・・・。
コラムに添付する写真を撮ろうと、隙を見て会場に行き頑張ってみるが、「光りモノ」の撮影は難しい。
刀身に当たった照明の光がぎらついて、自動焦点が誤作動しほとんどの写真がピンボケになる。
ストレスはますますたまっていく。展示してある刀をつかんで振り回したい衝動に駆られる。
で・・・・今度はたまたま写っていた写真の刀も銘がわからない・・・き、切れそう・・・・刀ではなく小生の脳みその回線が・・・。


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