庖丁展示ケース製作・2

2007.03.08 Thursday

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    予定している展示スペースの幅が1,2mあるので、約60cmの展示ケースを2台注文した。          ケースを今後、別の場所に移動する時にも対応できるようにコンパクトにしたのだ。   資金力がないと考えがせこくなるなぁ・・・

     ケース本体の木部に【柿渋】を塗る。  日光に当てながら重ね塗りを繰り返すとどんどん色が変化していく。  柿渋は日本古来から建築、工芸などに使用されてきた「タンニン」を主成分とする天然の防腐・防虫剤であり着色料だ。   柿渋は、着物地などの染織の際に使用する和紙の型紙にも塗られ、その貴重な型紙を数百年以上にわたり維持保存することができるという。  自然界の恵みとそれを活用した先人達の知恵は驚異である。

     柿渋で程よい色合いが出てきたところで、布を張った発泡スチロールの板をケース内の底に敷く。       真鍮の取っ手を木ネジで取り付けて完成である。 この展示ケースを使って【生涯使える家庭用庖丁】を提案したいと思っている。  もちろん展示する庖丁のブランド名は【速魚川】である。

    庖丁展示ケース製作・1

    2007.03.07 Wednesday

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      当店の店頭に「庖丁 砥ぎます」という板看板を下げているので、家庭の切れなくなった庖丁の砥ぎをよく依頼される。

       持ち込まれる庖丁の種類やメーカーは千差万別である。  中には、ステンレスの板に刃をつけただけみたいな庖丁もあり、研いでもすぐに切れなくなる粗悪品も多い。  当店は昔からの【手砥ぎ】をしているが、砥石に庖丁を当てて砥ぎ始めた瞬間に、その庖丁の氏素性がわかる。 

       粗悪品の庖丁は、すぐに鉄粉が出はじめ、あっという間に砥ぎあがる。  いわゆる【焼き入れ】も満足に処理されていない軟鉄の状態、【なまくら】なのだ。  切れ味も悪いが、すぐに刃先が磨耗してツルツルになり、トマトの皮などをむく時、すべって刃がかからない。   この状態で野菜や果物や魚、肉を切ると、切断面の細胞や組織をつぶして破壊してしまい、食材の美味しさが半減してしまう。   しかし、家庭で庖丁を研ぐ習慣が日本人になくなった現在、残念ながらそれが現状なのである。

       これは金物屋や鍛冶屋の販売や啓蒙活動の努力不足、食(台所)文化の激変、大手販売メーカーの戦略などが原因だろう。   「日本人は、庖丁をはじめ【手道具】を使わなくなった」証拠でもある。 

       「一生使える良い庖丁を多くの日本人に提供する」ために、もっとPRして販売努力しなくてはならない。   それにはまず庖丁自体を観てもらうことである。   そのための展示ケースを製作することになった。      展示スペースの測量をして図面を描き、南島原市小浜町に住む一級技能士・苑田義広氏に図面をFAXし、製作を依頼した。

       添付写真が出来上がってきた庖丁展示ケース。   苑田氏にはいつも無理な注文ばかりしているが、こちらの要求に見事に応えてくれる。   当店オリジナルの魚干し器、踏み台、炭入れ、刃物スタンド、回転収納式大正椅子、木製チリトリなどはすべて苑田氏に依頼したものだ。
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