猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋

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「二人展 春らんまん 2009」その4 14:53
「二人展 春らんまん 2009」もいよいよ大詰めである。  25日(土)から5月6日(水)までのゴールデンウィークが勝負になる。  今年はどこからどんな人が島原や当店を訪れるのだろうか?  島原のいい思い出を作っていただけるようにがんばろうっと!  (写真提供:松尾順造氏) 
 
松尾順造氏による「二人展」会場の全体像。  う〜ん・・・すごい!!  まるで速魚川ギャラリーではないみたいだ。  空気の透明感と緊張感が伝わってくる。  プロの手にかかると魔法みたいに風景も表情を変える。  恐るべし・・・・  



昨日、久しぶりに《欲望と言う名の電車》のブランチを演じたM女史が当店を訪れた。  M女史は保育士になる前は不動産屋に勤めており「宅建(宅地建物取引主任者)」の免許も取得している。  当然パソコンもブラインドタッチで操作できるが自宅にパソコンは置いておらず、当店のHPも覗いていなかったので、先日の《宴 水回廊》の画像を見てもらった。 

「びっくりしました・・・・自分が舞台でこのような表情をしたなんて・・・・」と絶句状態だった。  写真家:松尾氏は東京にいる時、プロの舞台の写真も手がけているので、こんな《女優のおそろしい情念》も見事に写真に収められるのである。  

「松尾順造さんからCDで写真を頂いているので、後日プリントして進呈します。」と言ったら、すごく喜んでいた。  昨年の11月の《王女メディア》の時もそうだったが、M女史の一生の宝物になるだろう。

そういえば、本日、地元ケーブルテレビ《ひまわりテレビ》から、先日の《宴 水回廊》の放送された映像のDVDを頂いた。  これをダビングして、当日来れなかった人にプレゼントしようと思う。

当日来たくても来れなかった人・・・・《宴 水回廊》の素敵なポスターを散人氏と共同で制作し、自らのサイト「まつを」にも添付しPRしてくれたご本人:まつを氏と《欲望と言う名の電車》の演出助手、メイク、衣装を一手に手掛けてくれたS女史。  ご両人が一番楽しみにしていたはずだ。

この二人は、《宴 水回廊》の当日、速魚川の会場に来ていながら、急に具合が悪くなって急遽帰宅したのだ。  健康そのものの二人がよりによって直前になぜ?・・・・謎である。  しかも同じ症状であった。

「あの日、あの会場に集まって来たのは人間だけじゃなかったのでは?・・・・そういえば、サブタイトルの《あちらから こちらへ》も意味深だったし、《信平走る》では豊臣秀頼の怨霊が「物の怪」の鵺(ぬえ)で登場したし・・・・」
会場に集まってきた目に見えない何者かに感応した霊感の強いお二人は身体に変調をきたしたのか?

まあ、しかし、あの夜集まったメンバーも人間界では《魑魅魍魎(ちみもうりょう)》の類(たぐい)だったし(失礼!)、そもそも芸能というのは神仏、霊界への奉納と交信が目的だったというし・・・・
 


いつも申し訳ないなぁと思って添付している人形師:本田宗也氏の作品の写真も、松尾氏の撮影にかかると上の写真のようになる。  本田氏の製作意図を見事に読み取った写真である。  実物の素晴らしさがそっくりそのまま表現されているので、会場で見ても全く違和感がない。

                       ★ 【 五月晴れ 】  94500円



サラッとした風呂上りの爽やかさ、とでも言おうか、いつもの皆さんとの《酒飲んで脂ぎった》という夜の雰囲気ではない。  これが普段の龍一郎氏なのかもしれない。   いい顔してますぞ!!  いよっ! 四年後に還暦を迎える円熟期前夜の龍ちゃん、日本一!!


この写真も素敵です。  背後の床の間(本当は【床】と呼ぶらしい。 【床の間】は部屋全体の事だそうだ。)に掛けてある「一期一会」の「会」の文字が龍一郎氏の顔の横で笑っている。  龍一郎氏本人もつられて少しにんまり・・・・
| 「二人展 春爛漫 2009] | - | - | posted by ino-haya - -
「二人展 春らんまん  2009 」その3 13:38


上の添付写真は、書家・龍一郎氏の手書きのチラシである。      福岡を拠点とするアフガニスタン住民の支援団体《ペシャワール会》の事務局をしている龍一郎氏は、昨年9月に現地で起こった伊藤和也氏殺害事件の悲しみを乗り越え、今回の二人展に臨む事になった。



 人形師・本田宗也(としや)氏の原点となる《UTAGE(うたげ)》シリーズは、歌舞伎の元祖となった出雲阿国(いずものおくに)を時代背景にしている。  室町時代末期から織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と大きく時代が変わろうとする動乱期において、庶民のうねるようなエネルギーに強く惹かれたという。

添付写真の作品は「遊(ゆう)」。  阿国は男装し茶屋遊びに通う伊達男を演じ踊ったという。  この作品が阿国をモデルにしているのかはわからないが、自由でエネルギーに満ちた女性の美しい表情と衣装が印象的だ。

                ★ 【 遊 】 84000円 (高さ:約30センチ)





 昨年から本田人形に新しく加わった《能》シリーズ。  16世紀の室町時代に《能》はほぼ完成し、現代まで継承されている。  《歌舞伎》と並び世界中が絶賛する日本の伝統芸能の代表格である。  この頃に産声をあげた歌舞伎とは対照的であるが、能楽の戯曲を読んでみると愛や嫉妬や友情や忠誠心や不条理やファンタジーやとバラエティーに富んでおり、現代とまったく変わらないことに驚く。

添付写真の作品は「熊野(ゆや)」。  能を代表する曲として有名である。

 《ストーリー》

時は平家の全盛期、平宗盛には愛妾・熊野(ゆや)がいるが、その母の病が重くなったとの手紙が届いた。  弱気な母の手紙を読み、熊野は故郷の遠江国に顔を出したいと宗盛に願う。  だが、宗盛はせめてこの桜は熊野と共に見たい、またそれで熊野を元気づけようと考える(「この春ばかりの花見の友と思ひ留め置きて候」)。

熊野の心は母を思い鬱々としながらも、道行きに見る春の京の姿にも目を喜ばせる。  やがて牛車は清水寺に着いた。  花見の宴会が始まり、一方熊野は観音堂で祈りを捧げる。  やがて熊野は呼び出され、自分の女主人としての役割を思い出す。  宗盛に勧められ花見の一座を喜ばせようと、心ならずも熊野は桜の頃の清水を讃えながら舞を舞うが、折悪しく村雨が花を散らす。  それを見た熊野は、

  いかにせん都の春も惜しけれど、馴れし東の花や散るらん

の歌を詠む。  宗盛もこれには感じ入り、その場で暇を許す。  熊野は観世音の功徳と感謝し、宗盛の気が変わらない内にとすぐさま故郷を目指し出立する。  

「東路さして行く道の。やがて休ろう逢坂の。 関の戸ざしも心して。 明けゆく跡の山見えて。 花を見捨つるかりがねの。 それは越路われはまた。 あずまに帰る名残かな。 あずまに帰る名残かな。」

                ★ 【 熊野 】  147000円 (高さ:35センチ)
  




上の添付写真は【その1】で紹介した「羽衣(はごろも)」の連作。   昔話の《羽衣伝説》をもとにした能である。  昔話では、天女は羽衣を隠されてしまい、泣く泣く人間の妻になるのだが、能では、人のいい漁師・白龍はすぐに返す。

 《ストーリー》

春の朝、三保の松原に住む漁師・白龍は、仲間と釣りに出た折に、松の枝に掛かった美しい衣を見つける。  家宝にするため持ち帰ろうとした白龍に、天女が現れて声をかけ、その羽衣を返して欲しいと頼む。  白龍(はくりょう)は、はじめ聞き入れず返そうとしなかったが、「それがないと、天に帰れない。」と悲しむ天女の姿に心を動かされ、天女の舞を見せてもらう代わりに、衣を返すことにする。

 衣を返したら、舞を舞わずに帰ってしまうだろう、と言う白龍に、天女は、「いや疑いは人間にあり、天に偽りなきものを」と返す。  正直者の白龍は、そんな天女の言葉に感動し、衣を返す。

羽衣を着た天女は、月宮の様子を表す舞いなどを見せ、さらには春の三保の松原を賛美しながら舞い続け、やがて彼方の富士山へ舞い上がり、霞にまぎれて消えていった。

                 ★ 【 羽衣 】  168000円 (高さ:42センチ)





 上の添付写真の作品は「鏡の間」。  「おやっ!?」と思われた方もいるだろう。  座して能面を手に持つ人物は美しい女性である。   昔から能は歌舞伎と同様に男性が演じるものと決まっていたからだ。 

 しかも、衣装はひとつ上で紹介した「羽衣」のものと同じである。  天女の役だから女性にしたかったのか?  あるいは、昨年の二人展の折に「羽衣」の作品を購入して頂いた女性が「観世先生のご指導で【羽衣】を舞った事があります。」と言われていたのが頭に残っていたからか?   真意は本田氏に聞いてみないとわからない。 

                   ★ 【 鏡の間 】 105000円 (高さ:30センチ)
| 「二人展 春爛漫 2009] | - | - | posted by ino-haya - -
「二人展 春らんまん  2009 」その2 16:29


 上の添付写真の書は、かつて、まつを氏のHP《サイトまつを》の巻頭を飾っていた有名な詩である。  

「 雲が流れる 時が流れる ときおりススキがなびき 地球が自転する音を立てる 」 
 視覚、聴覚、嗅覚、触覚と知性、感性に同時にインパクトを与える秀逸な詩である。  恐るべし、詩人まつを・・・・
  



龍一郎氏の書は、回を重ねるごとに次第に絵画に近づきつつあるようだ。  遊び心も嬉しい。 
   「一期一会」・・・ 今から出会うであろう人、もう二度と会えない人・・・・・




   墨のにじみが憎い。  漆黒の書の中心に一点の「赤」を落としている。  ますます憎い。  
| 「二人展 春爛漫 2009] | - | - | posted by ino-haya - -
「二人展 春らんまん  2009 」その1 10:27


添付写真は、昨年の「二人展 春らんまん 2008」において、福岡の人形師・本田宗也(としや)氏による作品【羽衣(はごろも)】である。

本田作品にはいろんなジャンルがあるが、この能舞台をモチーフにしたものは初めて見た。 先日、本田氏が来店した際「今年も能の作品はあるのですか?」と訊ねたら、少し照れながら「あります」と答えた。

小生は本田氏と知り合った10年前から本田作品の大ファンである。 繊細で優しく美しい・・・本田氏の作品をかなり見せてもらったお蔭で目が肥えてしまい、他所のギャラリーなどで見る博多人形のほとんどが物足りなく思えるのだ。

いや、物足りないどころか本田氏の作品の数倍の価格をつけてあるのを見た時、腹立たしささえ覚える。

造形だけでなく彩色も見事で、どんな小さな作品も細部まで手を抜くことなく丁寧に仕上げてある。  これは本田宗也の人形師としてのプライドの高さ、妥協を許さない頑固さからきているのかもしれない。 

今週の3月28日(土)からゴールデンウィークの終わる5月6日(水)まで速魚川ギャラリーで開催される第9回「二人展 春らんまん 2009 」にはどんな作品が登場するのであろうか?

本田宗也氏と井上龍一郎氏・・・この10年で作品がどんどん成長し変化している。  これからが楽しみな福岡の【おかしな二人】である。

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