猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋。
金物店の裏では喫茶店も営業しています。

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「本田宗也創作人形展」2011年・その3 19:55
福岡在住で本田氏と共通の知人から電話があった。 福岡市内のある有名なギャラリーに行き「博多人形師の本田宗也はどんな作家ですか?」と知らない振りをして尋ねたらしい。 多くの博多人形を扱ってきた店のオーナーが「普通は人形は正面から鑑賞しますから、作家は人形の正面の造形に力を注ぎますが、背面は見えないから手を抜く人が多いです。  しかし、本田宗也氏はそれをしない。 見えない背面の各箇所も丁寧に仕上げる珍しい作家です。」と答えたらしい。
 
っていうか、そもそも日本人本来の美意識って、谷崎潤一郎の「陰翳礼賛(いんえいらいさん)」などに論じられているように、光が当たっている部分よりその影の部分、つまり目につきにくい部分に美や意味を見出していたんじゃないかなぁと思ってしまう。


上の写真は「佳日雛」の雄雛を後ろから撮影したもの。 普通はこんな位置から人形の写真を撮ることなんてないだろうが、確かに素晴らしい背面である。 造形自体の美しさに、渋く絢爛な和風の色彩と巧みな筆捌きが加わり、一幅の絵になっている。 

「本物」とは、このように決して妥協せず愚直なまでに美の追求をやめない人が命を削って創った作品を言うのではないだろうか? 本田宗也は自分に厳しい頑固な求道者であり、ある意味で完璧主義者かもしれない。




上と下は「佳日雛」の雌雛。 後ろ髪の流れるような艶、着物の淡い濃淡と金の模様・・・・世界に誇る日本の伝統美と本田宗也の創造力が融合して・・・・ドキッとするほどセクシーである。




上と下の写真は、能舞台「羽衣」の前シテ。  松原に降り立った天女が松の枝に掛けていた羽衣を若者に奪われる。 返してくれと天女は懇願し、若者は舞を舞って見せる条件で返す。 返してもらった羽衣をまとった天女(後シテ)は舞を舞いながら天に昇っていく・・・・そんなストーリーだったと思う。


            ★  【 羽 衣 】  前シテ  ( 高さ : 430 )  168000円  本田宗也作


                ★   【 華 清 雛 】     ( 高さ : 150 )  105000円  本田宗也作






                                    ★   【 雅 風 雛 】  ( 高さ : 90 )  12600円  本田宗也作

 
                                    ★   【古典立雛】   (高さ:285弌法 。僑械娃娃葦漾  )榲捗〔藝
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「本田宗也創作人形展」2011年・その2 14:56
「2月6日の初日に会場設営をします。 朝9時半頃そちらに着く予定です。」と本田氏より連絡があっていた。 本田氏らしくちょうど9時半に到着し、作品の入った箱を車からギャラリーに搬入すると一息入れることもなくすぐに会場設営を始めた。
 
こちらも作品展の看板を作ろうと思って幅の広い紙を探すが見つからない。 「泥棒を捕まえて縄をなう」いつものパターンである。 やっとキズの入った売り物にならない和紙を一枚見つけ、娘の使っていた習字道具箱から筆と硯と墨汁を取り出し、テーブルに新聞紙を敷いて慌てて看板を書くことになった。

昨年までは「二人展 春らんまん」だったので、相方である書家の井上龍一郎氏が看板を書いてくれていたが、今年からそういう訳にもいかない。 「看板に日展作家という言葉は使っていいですか?」と尋ねると 「ハイ、いいですよ。」 と本田氏は答えた。 12年前の初心に戻り再び個展を始める、と語った本田氏の表情に昨年と異なる毅然としたものを感じた。 

「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同」(毎年花は同じように咲くが、この花を見る人々は毎年変わっていく) 人は同じところにとどまれない。 作家もどんどん変化し成長していく。






12年目にもなると本田氏にとって速魚川ギャラリーは我が家の庭と同じで、アッという間に会場設営が完成されていく。 外部の保護クッション材を取り除いた後、和紙にくるまれた人形から和紙を剥がす時の本田氏の所作を見るのが小生は昔から好きである。 赤ん坊の産着を大切に優しく脱がすように丁寧に取り除いていく様子から、本田氏の人形に込めた深い愛情がにじみ出ている。




                  ★  【 佳 日 雛  】  (高さ : 200mm)  252000円   本田宗也作


                                  ★  【 雅 雛 】  (高さ : 200弌法 。隠娃毅娃娃葦漾  )榲捗〔藝


                               【 雅 雛 】 の 雄雛


                               【 雅 雛 】 の 雌雛


                ★  【 宴 】   (高さ : 330弌法  。隠横僑娃娃葦漾   )榲捗〔藝




                ★  【 彩 立 雛 】   (高さ : 125弌法  。横隠娃娃葦漾  )榲捗〔藝


                 ★   【 源 氏 雛 】    (高さ : 70弌法  。械隠毅娃葦漾  )榲捗〔藝


                  ★   【 古 典 雛 】   (高さ : 90弌法  。隠娃毅娃葦漾  )榲捗〔藝


                  ★   【 慶 立 雛 】    (高さ : 115弌法 。隠毅沓毅葦漾   )榲捗〔藝


                 ★   【 慶 祝 雛 】   (高さ : 170弌法  。苅沓毅娃葦漾  )榲捗〔藝


                 ★   【 清 風 雛 】      (高さ : 260弌法   。隠毅沓毅娃葦漾  )榲捗〔藝


                  ★   【 春 宴 雛 】   (高さ : 270弌法  。隠牽坑娃娃葦漾 )榲捗〔藝


      ★ 【 恵 比 寿 】   (高さ : 250弌法。牽苅娃娃葦漾        【 大 黒 天 】   (高さ : 210弌法。沓械毅娃葦漾 

                                      本田宗也作


                  ★   【 狛 鉾 】   (高さ : 90弌法  。横隠娃娃葦漾  )榲捗〔藝


                  ★   【 萬 歳 楽 】   (高さ : 115弌法  。横隠娃娃葦漾  )榲捗〔藝


                  ★  香合 【 硯 箱 】    (全長 : 75弌法  。横隠娃娃葦漾  )榲捗〔藝


                ★   香合 【 御 所 車 】   ( 全長 : 90 )  21000円   本田宗也作


                   ★  香合 【 琵 琶 】   ( 全長 : 95 )  21000円  本田宗也作

 
                 ★  立 札 【 端 午 】    ( 高さ : 100 )  3150円  本田宗也作
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「本田宗也創作人形展」2011年・その1 20:37
もう12年前になるので当時の記憶は明確に思い出せないが、福岡在住の創作人形作家・本田宗也(としや)氏が初めて速魚川ギャラリーで作品展を開催したのは平成11年(1999年)の5月だった。 その前年、速魚川ギャラリーが誕生した平成10年の夏頃に、ご夫婦が当店を訪れ作品展開催の打診を受けたのが最初の出会いだったと記憶している。

奥様の実家が南島原市・深江町だったご縁で「地元で作品展を」という意向があったようだ。 デパートや百貨店の展示場ですでに多くの作品展を開催してきた作家ではあるが、本田氏単独の主催による作品展は速魚川ギャラリーが初めてだったという。 

本田氏の作品を初めて見た当時の衝撃は今も忘れない。 造形の美しさと絢爛で精緻な彩色から高潔さと優しさが漂ってくる不思議な感覚だった。  作品はその制作者の人柄を反映する、というがまさしく本田作品は本田氏そのものである。  




上の写真は先日、本田氏から届いたDMハガキをスキャンしたものである。 昨年までの10年間は書家・井上龍一郎氏と「二人展・春らんまん」を開催していたが、今年からそれぞれ独立して個展を開催することになった。  龍一郎氏と二人展を始める前、つまり12年前、本田氏は当店で2回個展を開催している。 現在、日展に12回入選を果たし「日展会友」の認定を受け、世に言う「日展作家」になったのである。

「人形」と「書」というジャンルの異なる合同展は、拮抗するコントラストの面白さとスリリングな緊張感があり実に画期的な作品展であった。 しかし、同時に会場の限定空間では相互調和の意識が作家に働く。 お互いに相手の作風に気を使うことも事実なのである。  現在、全国で積極的に個展や合同展を開催している本田氏は、再びスタート地点の速魚川ギャラリーで初心にもどり、自身の個展を始めることになった。

            「本田宗也創作人形展2011」 in 速魚川ギャラリー

           ★ 
会期 : 平成23年2月6日(日曜)〜13日(日曜



上と下の写真は、平成12年5月、2回目の個展を速魚川ギャラリーで開催した当時の本田宗也氏。  2回目の個展とはいえ本田氏の表情には少し緊張感がうかがえる。 昭和34年生まれということは、現在51歳。  11年前は・・・エ〜!! この時まだ40歳だったのぉ?・・・


今回は30点ほどの創作人形が展示される予定であるが、まだ手元に画像データがないので、(というか今頃は本田さん直前の制作で連日追われているだろうなぁ・・・)以前紹介した過去の作品の写真を再度以下に添付する。



 







































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