猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋

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【金属彫刻家・田邊朗】その2 17:45
昨日、唐津の金属彫刻家・田邊朗氏が来店。 「田邊さんのアトリエにある作品の中から、小さな作品をいくつか当店に展示できませんか?」というリクエストに応えて持って来てくれたのだ。 それぞれがため息が出そうな素敵な作品であった。 後日、撮影してこのコラムで紹介したい。 


        【 眺望の家 】 外寸:38×48cm  田邊朗作 85000円

上の作品は、昨日持参してくれた作品の中で唯一の「絵画」作品。 鉄板に油彩で描かれている。
フレーム(額縁)部分はスチールに塗装を施してある。 絵画の下地(鉄板)からポツポツとサビが浮き出てきて経年変化の渋い味が出ている。 この絵画がベースになってその後、彫刻作品【水の家】が誕生しました、と田辺氏が呟いた。

以下の2つの作品(【水の家】、【展翅の塔】)は、田邊氏からのメールの添付写真。


            作品名 【水の家】


これは、昨年に開催された「人間展」に出品したものです。 
ゆくゆくは、バリエーションを作り足して、一つの街にしようと思っています。

 人間は時になぜこんな事が出来るのかと思える事をやってしまいます。
その多くは信仰心によって支えられた偉業なのですが、結果としてとんでもない事になっています。
人間は素晴らしいパワーを持っている事を再認識せざるを得ません。
ギリシャのメテオラや日本の投入堂、これは鳥取でしたか。

 いやそうではないでしょうと思われるかも知れませんが、私はこれまで自分の作品から、言語性や物語性をなるべく排除してきたつもりです。
なぜならば、抽象的な造形には純粋な普遍性があると思っているからです。
音楽の様に純粋な仕事をしたいと思っていました。

が、日本の文化を改めて見直した時に、言葉や、物語による表現の豊かさは日本のローカリズムなんだなと思ったわけです。
それで、自分の仕事の中にもっと積極的に取り入れて見る事にしました。なぜこんなものが、から始まる物語があってもいいし、長く続いている物語の途中なのかも知れないし見る人が自分で物語を作る。それでいいんじゃないかと。


               【 水の家 】   正面全体


                 【 水の家 】   正面部分


               【 水の家 】   全体の俯瞰


             【 水の家 】   部分(橋とボート)


                【 水の家 】   部分(橋とボート)


              【 水の家 】  部分(二階の内部)


                【 水の家 】   部分(ステージ全体)


            作品名 【展翅の塔】


水の家のシリーズとして作りました。スケールは「水の家」と合わせてあります。
トンボの翅(はね)をモチーフとしていますが、何かの装置です。何の装置かは分かりませんが。 やはり水の中に立っており、何かの働きがあるのです。(風力発電?)

 以前からトンボの翅を作りたいと思っていましたが、西野さんと言う彫刻家が昆虫の翅をモチーフとされていて有名ですので作れずにいましたが、「僕が作ったらこうなりました。」でいいんじゃないかと思いきって作りました。 で、こうなりました。             
                                田邊朗

 
               【展翅の塔】 正面全体
   
                  【展翅の塔】 左前方
 

             【展翅の塔】 部分(後方)


                【展翅の塔】 部分(ステージ前方)


                【展翅の塔】 部分(ステージ後方)


                【展翅の塔】 部分(翅)

| 【金属彫刻家・田邊朗】 | - | - | posted by ino-haya - -
【金属彫刻家・田邊朗】の最新作 14:39
昨日、フランス人の女性が一人ででふらりと来店した。 小柄でハスキーな声の魅力的な女性だった。 日本語はほとんど話せないというので、お互い片言の英語で話をすることになった。 ・・・ていうか、こちらはほとんど単語の羅列で文法なんて無視。 それでもなんとか最低限の意思疎通はできるが、リエゾンをきかせたフランス語を流暢に話せたらなぁ・・・・と思いながら、フランス語の堪能なギィ・アンティックギャラリーの山下純弘氏や金属彫刻家の田邊朗氏の事がフッと頭に浮かんだ。 彼らは、カトリーヌ・ドヌーヴやジェーン・バーキンみたいなフランスの金髪美女を相手にアラン・ドロンみたいに低くささやく声で話すんだろうなぁ・・・・ 

そうだった・・・・唐津の田邊氏はどうしているかなぁ?・・・と思いつつ、最近メールで送ってくれた素敵な最新作をまだ紹介していなかった事に気づいた。








                ロールペーパーストッカー  田邊朗 作

                  
高さ600×幅120×奥行き150(ミリ)








                                                                       
                                                            鉄盛り器           田邊朗 作

                                         外径φ500×高さ55(ミリ)





鉄の盛り器は水盤として使用するつもりで作りましたが、水を入れて使うためには もしくは、食品を入れるためには、漆を焼き付けて頑丈な塗膜を作らなければならないでしょう。

実用のためとは言いながら、コストの大幅な増大となってしまう事は目に見えています。 
写真のものは、カシューを塗ってあります。

以前鉄で水盤を作ってカシューを塗って展示していたら(水を張って)展示期間中に錆が発生した事があります。 やはり漆でないと良く無い様に思います。

理想の仕様としては、漆を焼き付けて、その上からお歯黒(鉄漿)を掃いて色付けをする。

これが、水を入れても、食器としても使用に耐える(鉄瓶や茶釜と同じやり方です)仕様ですが…

学校を出て以来、工芸畑の事はほったらかしていたので、今更ながら知らない事が多いのには我ながら驚いています。

                                                                                   田邉

 
田邊さんがなぜ鉄の水盤を作ろうとしたのか?  その狙いや効果、意図を知りたいです。

水盤といえば陶磁器が主流と考えるのが常識。 錆腐食等の経年変化がないから、と普通考えます。
長年の金物屋経験から鉄製品の錆対策は 全てのメーカーの大命題でした。
亜鉛やクロームなどのメッキからホーロー焼付けにいたる酸化防止対策ですね。 

鉄独特の素材を表現するとなると、黒打ち庖丁など熱を利用した鉄の酸化皮膜から、田邊さんが
されようとしている漆焼付け後の鉄漿(お歯黒?)仕上げなどが考えられるのでしょうね。


水盤を作ったのは、たまたまです。
花器でも良かったのですが、じつは糸島に吉田さんという苔を扱う作家がいらっしゃいます。
彼女の作った苔とコラボレイト出来ればとイメージして、平たいフォルムの器を作ったのです。

水盤に限らず花器でもおっしゃる様に水の問題があります。 その意味では水盤、花器同じだと考えます。
なぜ金属で水盤なのかと言う事ですが、第一に私が鉄の作家である事です。
金属製の物は(板金、鍛金のお仕事)、陶磁器と異なり薄くシャープな表現がしやすい事。
したがって現代の生活空間に適合しやすいのではないかと考えられる事。
材質にかんしては、塗装をする以上、鉄でなくても良いのです。
実際にこれまで作った水焜炉の水盤と水槽はステンレスにて製作してカシューをかけています。

ですが、我々は、古くからさまざまな素材を用いていろいろなものを作って来ました。
その過程の中で素材に対しての技法が編み出され完成されて来ました。
日本に古くから伝わる伝統技法を使えば、より日本のローカリズムが表現できるのではないでしょうか。
デパートの扱っている高級キッチン用品で世界的に有名なブランド、アレッシのピカピカに磨き抜かれたステンレスやクロームの質感や現代的なポストモダンのフォルム以外にも少し不揃いで温かみのある金属製の物が生活の中に在ってもいいんじゃない? というのが私の提案なのですが。
ただ鉄を使った場合、メンテナンスフリーではありません。
鉄瓶、茶釜と同等の扱いをしてやる必要があります。
ここら辺が問題になりますか。(せっかく買っていただいて、直ぐ錆びたでは後々大変な事になりますから)

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【金属彫刻家・田邊朗】のロボット・その1 21:22
唐津市在住の金属彫刻家・田邊朗氏は、昨年11月に島原市の高城歯科クリニックの玄関にステンレス製の巨大なロボットを制作した。 耐震構造の問題で昨年から全面建て替えになっていた100年以上の歴史を誇る島原市立第一小学校の正門前に位置している。  校舎もほぼ完成し、二学期から児童達はいよいよこの校門を通って通学することになる。   従って下校する際、児童達は校門正面の田邊氏のロボットを毎日見ることになる。

このロボットが田邊氏によるロボットシリーズの17作目にあたる。 1〜12作目のロボットは米国スポーツ用品メーカー・ナイキの社長がすべて購入したので、現在日本にはない。 この17作目以降も国内ファンの注文を受けコツコツ制作しており、現在19作目が完成したらしい(以下の写真)。


























 

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