猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋。
金物店の裏では喫茶店も営業しています。

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【NIBの収録・2012・9】 12:43
NIB(長崎国際テレビ)のディレクター・Y女史から三週間ほど前に電話があり、「島原を紹介する一時間番組を担当することになり、ちょっと折り入って相談がありますので伺っていいですか?」「一人で長崎から?」「はい」「エ~・・・やな予感」「まぁまぁそう言わずに」・・・・プロの仕事人の声だった。

【水巡・3人展】が終了した翌日の月曜日(9月17日)にY女史が来店。 偶然にも【水巡】をプロデュースしたK女史とY女史は20代の頃、KTN(テレビ長崎)ソサエティーの同僚のディレクターだった。 
現在、所属するテレビ局は異なるが二人の親交は続いており、我が家ともこのような形で縁が繋がっている。 

「今回の番組のゲストはコラムニストの勝谷誠彦さんです。」「あの読売テレビ『やしきたかじんのそこまで言って委員会』や日本テレビ『スッキリ!!』に出てる人?」「9月27日28日が収録日で、27日に猪原金物店を訪問という事でいいでしょうか?」「光栄でありがたいけど、辛辣でするどいコメントをする人だから怖いなぁ・・・」「それでは、宜しくお願いします。」 Y女史もK女史と同様に気配りをしながらもどんどん話を決めていく聡明で優秀なディレクターである。 幾多の修羅場を乗り越えてきたプロの仕事人の顔がそこにあった。


勝谷誠彦氏はジャーナリスト、コラムニスト、コメンテーターといろんな顔を持っているが、写真家としても有名な人である。 常に一眼レフのカメラを携帯して、凄い速度で被写体を見つけてはどんどん撮影していく。 カメラのモニターで撮った写真の一部を見せてもらったがその素晴らしさに言葉を失う。




昼間の明るいうちに島原市内の数箇所を勝谷氏が取材し、夜に速魚川ギャラリーで島原の郷土料理を囲んで勝谷氏と島原市民数名が座談会をする、というディレクターY女史のプラン通り撮影が進行していく。 海鮮料理で有名な店「網元(あみもと)」から河豚(ふぐ)の湯引きと「ガネ炊き(河豚のアラ炊き)」、「多比良ガネ(ワタリガ二)の湯がき」が届き、座談会の前に料理の撮影が速やかに行われた。

上の写真は、島原の郷土料理「イギリス」。 「イギス」という海草に千切り状にした人参や油揚げなどを混ぜてゼラチン状にした島原独特のヘルシーな家庭料理。 「イギス」が訛って「イギリス」になったという。 ディレクター、カメラマン、照明が協力して料理の魅力を引き出そうと奮闘する。 

下の写真は、島原では定番の「フグの湯引き」。 厚く切ったフグの身をサッと湯に通し、摩り下ろした梅肉とにんにくを溶かしたポン酢で頂く。 その味と食感は最高!! 



写真家でジャーナリストでもある勝谷氏は料理を撮影しているテレビクルーのメンバーに混じって「いい絵」が撮れるようにアドバイスやアシスタントをしていた。 上の写真は有明海の名物「多比良ガネ(わたりガニ)」の撮影風景。 カニの甲羅の位置を調整したりとこだわりの映像を模索する。 

下の写真は、島原の名物郷土料理の『ガンバのガネ炊き』。  「ガンバ」とは「トラフグ」の事。 フグの毒に当たって死ぬリスク、つまり『棺おけ』を横に置いても食べたいほど美味しい魚、島原弁で「ガン(棺)ば横に置いても」からきているという。 そのフグのアラ部分を醤油、みりん、酒、砂糖と梅肉、ニンニクの芽、タケノコで煮込んで作る料理。 「あれ? 表面の照りがなくなったなぁ。 箸で隙間を作って下さい。 そこからスプーンでタレをすくってかけましょう」と勝谷氏とY女史が協力して大奮闘。 



午後7時半頃、座談会の収録も終了し、スタッフが機材の撤収を開始した時「猪原さん、筆ペンありますか?」とディレクター・Y女史が尋ねた。 店から筆ペンを持ってくると、勝谷氏がY女史から渡されたノートになにやら文字を書き始めた。 今回の番組のタイトルを勝谷氏に書いてもらい、それを撮影している。

「次は横書きでお願いします。」と色んなパターンをY女史は勝谷氏に要求していく。 「最後まで使われてますね」と勝谷氏に声をかけると「そうなんだよね・・・人使いが荒いねぇ」と言いながらもまんざらでもなさそうである。(上の写真) より良い番組作りのためには妥協や遠慮をしないディレクター・Y女史のプロ意識にはつくづく感服した。 「男子、三日会わずば喝目して見よ」と昔から言われているが、「女子(Y女史)、三日会わずば喝目して見よ」である。 あの当時のHIROMIちゃんが今は押しも押されぬ必殺仕事人に成長していた。

なお、今回収録した番組は10月27日(土曜日)に放送予定だという。 NIB(長崎国際テレビ)なので県内在住の方は是非観て下さい。 島原の魅力を勝谷氏がどのように見たか? また、NIBのディレクター・Y女史がどのように編集構成し見事な番組に仕上げるのか? 非常に楽しみである。

 
上の写真は、勝谷氏を囲む座談会に市民代表で参加してくれた清水康裕氏(左)と茶房の手伝いをしている我が家の三女(右)。 島原をこよなく愛しかつ現状を憂える聡明でロジカルな清水氏の投稿文はたびたび新聞に掲載され話題を呼んでいる(下の写真)。

清水氏とは対照的な食い気が優先する二十歳の三女・・・・ 9月末まで夏休みで寄生虫、いや帰省中の三女は海岸に打ち上げられたトドみたいに居間でゴロゴロして日に日に肥満していくばかりだ。 「どうだろうか? この際だから佐渡嶽部屋か伊勢浜部屋に入門したら・・・オレがヒトハダ脱ごう!」という父の挑発を「チッ!」と一瞥して無視するふてぶてしさである。

そんな三女が今回の収録現場で《事件》を起こしてくれた。 Y女史と十数年ぶりに再会した三女は「うわぁ〜! 久し振りぃ〜オバちゃ〜ん」「オ、オバちゃん!?・・・・」撮影が終了した現場に再び緊張が走った。 小生はすかさず間に割り込み「す、すみません・・・コラァ!!《お姉ちゃん》やろが!《お姉ちゃん》!  アホが!  うちの娘がとんだ失礼を・・誠に申し訳ありませんでした。 後ほど厳しく言い含めておきますのでどうかご容赦願います。」「・・・ったく、オタクは娘さんにどんな教育をしておられるんですか?」ジョーク交じりに笑いながら言ったY女史だったが、眼だけは笑っていない。

女性に対し《オバさん》か《オネエさん》かビミョーな判断を要する時は迷わず《オネエさん》と言うのが
処世術であり商売人の基本だ。 この基本を無視したために路頭に迷うことになった多くの人達を小生は知っている。 また女性が自ら年齢を明かした時、すぐに『え〜!お若いですね!』とリアクションをとるのは素人のする事である。その前に一呼吸、間を置いて驚きの感情を充分に表現した後で、「・・・ホ、ホントですか?・・・・そんなお年には絶対に見えません・・・・信じられない・・・・」と、相手ではなく自分の内部を探るようにつぶやく。 これがリアリズムの上級編である。 三女の未熟さには今後も手を焼きそうだ。 

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