猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋。
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『名刀展示会・2014』 in 速魚川・その3 20:05


























































































































| 『美術刀剣展 in 速魚川 』by松井更生 | - | - | posted by ino-haya - -
『名刀展示会・2014』 in 速魚川・その2 21:31
『名刀展示会・2014』の前日の22日午後5時過ぎから会場設営が始まった。島原市体育館から展示に使う長机8脚を借りるために松井氏の友人とT女史が軽トラックに乗ってスタート。残った我々はギャラリーの展示物やタンス、テーブルなどの撤去作業にかかった。ギャラリーが何もないまっさらな状態になった頃、長机を積載した軽トラックが到着し、搬入・組み立て・配置が流れ作業で行われていく。毎年の事であるが、アッという間の一年の経過を身体の記憶がつきつける。

会場設営が完了したのは午後8時半頃だった。「ご迷惑をおかけしますが、午前10時の開場に間に合わせるために、明日朝7時に刀剣の展示作業にかかります。よろしくお願いします」と言って松井氏とアシスタントの西岡氏が帰って行った。出陣前の武将のような気迫が伝わってくる。







予告通り、朝7時に速魚川ギャラリーに到着した松井更生氏は、美術刀剣類が収納された木箱やケースを車から一人で会場に搬入し、展示作業を始めていた(上と下の写真)。二十数振りの選び抜かれた《名刀》の展示位置は、彼の頭の中ですでに決められている。今回は各刀剣のネームプレート以外に『解説文』も準備されており、観覧者にとって非常に理解し易い演出である。本日は雲一つない快晴。松井更生氏の熱い想いが天に通じた!




展示作業が完了し、整然と並ぶ名刀たち。誕生した時代も産地もスタイルも異なる個性豊かなカタナ達は、数百年の歳月を見事に生き抜いて、その美しさを現代の我々に魅せてくれる。「真剣になる」というが、まさしく会場の空気はピーンと張りつめており、多くの観覧者の到着を静かに待っているようだ。




『美術刀剣』といえば年配男性のマニアックな世界を連想するが、最近は【歴女】ブームの影響も手伝ってか、女性の観覧者が徐々に増加傾向。しかも展示ケースなどのガラス越しではなく、むき出しのままの名刀を至近距離で鑑賞でき、松井氏の監修のもとで手に持たせてくれるのだ!?(下の写真)国内においてこのような展示会は過去になかったし、まず有り得ない。




来場した【歴女】の中には西洋人の女性も・・・米国カリフォルニア出身・島原在住の彫刻家・野島マーサ氏が、スコットランド出身・東京在住の友人を連れて来た。流暢な日本語で松井氏の解説に熱心に耳を傾け多くの質問をていた(下の写真)。

国際化社会が進めば進むほど、日本人としてのアイデンティティを求められるようになる。2600年の日本の歴史や伝統文化の集大成のひとつが「美術刀剣」であり、世界中がその美しさと完成度の高さを称賛し憧れている事実は否めない。未来の日本を背負う日本の若者たちには是非「美術刀剣」を観て知って欲しいと願う限りだ。







初日が盛会の内に無事終了し、充実感と疲労感と安堵感が松井氏の笑顔から窺える(上の写真)。来場者が途切れることなく昼食も摂れなかったそうだ。明日の最終日まで気を抜くことはできないが、本当にお疲れ様でした!

今年も、長崎県東彼杵郡波佐見町の(財)日本美術刀剣保存協会会員、美術刀剣研師・湯浅健吾氏(下の写真)が、松井氏のアシスタント役として片道2時間かけて会場まで足を運んでくれた。会場では刀剣研師の立場から刀剣の解説をしてくれるので、観客は異なる視点で刀剣鑑賞を楽しむことができるのだ。「刀匠」と「研師」は表裏一体の存在で、双方の卓越した技が見事に連携した時、名刀が誕生する。湯浅さん、本当にありがとうございました!


| 『美術刀剣展 in 速魚川 』by松井更生 | - | - | posted by ino-haya - -
『名刀展示会・2014』 in 速魚川・その1 09:41
雲仙市国見町(サッカーで有名な国見高校の近所)在住の美術刀剣鑑定士・松井更生氏は、来年80歳を迎えるが熊本、佐賀、宮崎、時に東京と日々忙しく動き回っており、その気概と情熱と行動力は驚異的である。そして今年も通算9回目の『美術刀剣展』を開催することになった。平成10年に速魚川ギャラリーを開設した年に、第一回の美術刀剣展をスタートしたので、なんと足かけ17年目を迎えることになる!?『老いてなお盛ん』とは松井氏のためにある言葉なのか?

 ★ 昨年の『名刀展示会・2013』のブログ ⇒ 
http://blog.inohara.jp/?cid=39715

 ★ 2012年の『第七回「美術刀剣展」in 速魚川』⇒ http://blog.inohara.jp/?cid=39678

 ★ 2011年の『第六回「美術刀剣展」in 速魚川』 ⇒ http://blog.inohara.jp/?cid=39665

 ★ 2010年の『第五回「美術刀剣展」in 速魚川』⇒ http://blog.inohara.jp/?cid=39603

 ★ 2004年の『第四回「美術刀剣展」in 速魚川』⇒ http://blog.inohara.jp/?cid=32153


『 名刀展示会・2014 』in 速魚川 

★開催期間:11月23日(日曜・勤労感謝の日)、24日(月曜・振替休日)の両日

     午前10時〜午後5時 展覧無料!

   但し、雨天(高湿度)の場合、刀剣へのサビの恐れから中止もあり得ます。


★主催:美術刀剣鑑定士・松井更生(さだお)会場で刀剣の解説をしてくれます。


| 『美術刀剣展 in 速魚川 』by松井更生 | - | - | posted by ino-haya - -
『名刀展示会・2013』 in 速魚川・その2 16:59
『名刀展示会・2013』in 速魚川が開催される11月23日、24日の天気予報が【晴れ】と聞いて胸をなでおろした。本当に良かった!これで中止はなくなり、前日(22日)の夕方4時から島原市体育館に展示用の長テーブルを借りに行った。当店の日産サニートラックの出番だ。松井更生氏の友人で愛刀家の西岡氏と二人で体育館倉庫から長テーブル8脚をトラックの荷台に積み込んで、速魚川ギャラリーの会場に搬入し、昨年と同じ位置に並べた。これで準備の下準備は完璧だと思った。

夕方6時半頃、松井氏が来店した。「えっ!?・・明日の朝7時から準備をされるはずではなかったですか?」「とんでもない!それでは午前10時の開場に間に合いません。今夜中に幕張りや刀スタンドや照明の位置決めもすべて済ませておかないと、明朝の刀剣の展示作業に集中できませんから」「ひぇ〜!?・・・・」



松井氏が、準備していた段ボール箱から次々に黒い背景幕を取り出し、ギャラリーの周りに画鋲で張り始めた時、愛弟子の近藤氏が到着(上の写真)。あっという間に長テーブルや刀スタンドは白い布に覆われ、明日、南北朝期から室町、安土桃山、江戸時代に誕生した名刀たちの鎮座を待つばかりになった。

本番当日の午前7時きっかりに、松井氏は名刀が収納された木箱や刀剣ケースをどっさりとギャラリーに搬入し、いよいよ展示作業が開始された。それぞれの刀剣の刀匠名や時代や場所などが明記された紹介プレートが刀スタンドの前に並べられた後、一振り一振り慎重に刀剣が鞘から抜かれ、柄(つか)の目釘も抜かれて刀身だけの状態にされる。松井氏の左手に持たれた純白の木綿布によって、刀身の鉄肌に塗られた椿油が丁寧に拭き取られていく。数百年前に打たれた玉鋼の地肌が直接、空気に触れる瞬間である。(下の写真)


























11月23日(土曜・勤労感謝の日)の正午頃、『FM島原』のパーソナリティー・佐田まゆみ女史がラジオ番組の生放送の取材に会場に来てくれた。生放送の30分前に大まかな内容を主催者・松井更生氏に確認しノートにメモしていく。本番は8分ほどで、『名刀展示会・2013』の紹介をFMの電波で島原市内全域に流すことになる。佐田さん、いつもご協力ありがとうございます!!(上の写真)

すでに会場には7〜8名の観客が鑑賞に来ていた。スタジオと佐田氏のやり取りから始まり、会場や『刀剣展』の紹介が済み、いよいよ松井氏へのインタビューがスタート。78歳、人生のベテランでもある松井氏はリラックスした笑顔で簡潔に美術刀剣について語った。最後に「松井先生にとって、カタナとは何ですか?」の質問に「男のロマンです。」と答え、会場から喝采が起こった。会場に来ていた女性の一人は「松井さんのお話を聞いていて、胸がジーンとなりました。」とうっすら涙を浮かべてつぶやいた。松井先生、オンナを泣かせちゃいかんばい!(下の写真)





今回は、松井氏の友人で長崎県東彼杵郡波佐見町の(財)日本美術刀剣保存協会会員、美術刀剣研師・湯浅健吾氏がゲストとして来場していた。湯浅氏は40歳代の若さながら国内で数々の賞歴を持つ実力派の研師で、松井氏の絶大なる信頼を得ている(上と下の写真)。彼も日本人の心である「美術刀剣」の存続と未来を憂えて、多くの仲間のネットワークを通じ、あちこちで刀剣の研ぎの実演やワークショップを展開している。サムライを連想させる鋭い眼であるが、話してみると実に誠実で優しく聡明な人物である。

湯浅氏は佐世保から『名刀展』の観覧に来場していたナイフ作家・松崎猛氏と意気投合。同じ「研ぎ」の世界を目指す者として、来年は、速魚川で刀剣とナイフの「研ぎ」の実演コラボレーションが実現するかもしれない(!?)。美術刀剣の研師の世界は《一子相伝》、その伝法は秘技とされ、一般人には絶対に見せることはないとされる。・・・なんか凄いことになりそうだ。




イベントでは数々の【ドラマ】が誕生する。市内在住の高校時代の同級生・Y女史から「実家の海に面した古い蔵を相続したけど、今後どのように展開したらよいのか?」と相談を受けた。丁度『名刀展』の初日に、数々のプロデュースを手掛けて実績を上げている女性が来る予定になっていたので、彼女に相談してみては?と提案し、会場で紹介することになっていた。

市内でも屈指の豪商であったY女史の実家には、昔からの多くの品々が眠っており「幕末に嫁いできた高祖母が持っていた短刀があるけど、手入れもせずにそのままになっている。」と彼女から聞いて「刀剣展の時に持参して鑑定してもらい、今後の保管方法などをアドバイスしてもらえば?」と言ったら、早速持参してくれた(上と下の写真)。金糸の散りばめられたボロボロの布袋から取り出された短刀の拵(こしらえ・外装つまり鞘と柄)を観て、会場は騒然となった。

古来から武家の娘が嫁ぐ時「短刀」つまり「懐剣」を持たせた。護身と自決用である。その伝統は江戸時代の商家にも広がり、短刀の拵(こしらえ)に金銀や螺鈿など特別に豪華な細工を施した。嫁ぎ先の家が万が一窮乏した時の助けになれば、との親心からである。Y女史が持参した短刀はまさしくそのものだった。現在、これと同じものを造ろうとすればいくらかかるのだろうか?・・・

刀身も刀鍛冶によって造られており、波紋が美しい。残念ながら刃先や峰などにサビが発生しており、このままでは朽ちていくばかりだ。ところが、幸いにも本物の刀剣研師・湯浅健吾氏が同席しており、Y女史はその場で早速「研ぎ」を依頼することになった。江戸時代のおばあちゃんの魂が現代に蘇るのだ。このようなシンクロニシティー(共時性)が最近、あらゆるシーンで以前より頻繁に起こるようになっている。一体、なぜ?・・・



| 『美術刀剣展 in 速魚川 』by松井更生 | - | - | posted by ino-haya - -
『名刀展示会・2013』 in 速魚川・その1 21:54
雲仙市国見町多比良(たいら)在住の美術刀剣鑑定士・松井更生(さだお)氏が、速魚川ギャラリーで第一回の『美術刀剣展』を開催してからすでに15年が経過した。途中でしばらくブランクがあったので、今回の『美術刀剣展』の開催は8回目になる。自衛隊時代に鍛え上げた強靭な肉体と精神を持つ松井氏ではあるが、今年の夏に胆嚢の摘出手術を受けた。

当店で縁が繋がって愛弟子になった近藤氏から松井氏の入院を知らされ、二人で病院に見舞いに行った。「自衛官時代、米国で落下傘訓練をした時、着地に失敗して足の骨を折ったことがありましたが、それより痛かったですね。」「我慢の限度を超えて救急車で病院に搬送され検査したら、胆嚢が溶けていたそうです。担当の医者が、こんなになるまで人間が我慢できるわけがない、と驚いていました。」と笑いながら、我々の制止を振り切って患者着をたくし上げ、抜糸前の生々しい手術痕を見せてくれた。

「松井さんが手術するって事前に知っていれば、こんな味気ない医療用のメスじゃなくて、切腹用の脇差を準備できたのに」と冗談を言うのがやっとだった。自衛官時代に培われた“サムライ魂”は、78歳になった今も健在である。入院中は食事ができず、点滴で過ごしたため、退院する時は7キロほど痩せ、以前の面影はなくなっていたが、その後徐々に回復し、現在では従来の気合の入った松井氏に戻りつつある。そして「これが最後の『美術刀剣展』になるかも知れません。従って、名称を改め『名刀展示会』にすることにしました。知り合いの愛刀家の方々の自慢の名刀一振りだけ、つまり【重要刀剣】クラスを持ち寄って展示しますから、今までの刀剣展とはレベルが格段に違います。」と自信を込めて語った。

     
『 名刀展示会・2013 』in 速魚川 

★開催期間:11月23日(土曜・勤労感謝の日)、24日(日曜)の両日

     午前10時〜午後5時 展覧無料!

   但し、雨天(高湿度)の場合、刀剣へのサビの恐れから中止もあり得ます。


★主催:美術刀剣鑑定士・松井更生(さだお)会場で刀剣の解説をしてくれます。



上の写真は、地元のケーブルテレビの広報取材を受ける松井更生氏。さしもの【刀剣名伯楽】老いたり、ではない! 術後の減量で少し頬がこけてはいるが、美術刀剣への愛と情熱は益々高まっており、会場では例の芸術的な名解説が聞けるはずだ。

「切羽詰まる」「単刀直入」「鍔迫り合い」「太刀打ち」「抜き打ち」「抜き差しならぬ」「諸刃の剣」「懐刀」「両刀遣い」「焼きを入れる」「元の鞘に納まる」「伝家の宝刀」「反りが合わない」「鞘当て」「付け焼刃」「相槌を打つ」「鎬を削る」「急刃凌ぎ」「折紙付き」「鯉口を切る」など、我々が普段使っている日本語に「刀」から由来するものは実に多い。ところが実際に本物の刀を見たことがない日本人がほとんどなのだ。

下の写真は、昨年の『美術刀剣展』の会場で撮影した記録の一部。刀身の鉄肌から浮き出てくる美しい模様に、鑑賞者は遥かな水平線や地平線、あるいは沸き立つ雲、満月夜など花鳥風月の日本の美を連想するのである。










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