猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋。
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『 黄不動 』 完成! 20:18
昨年の10月29日から11月4日まで長崎市KTNギャラリーで開催された『祈り仏画展』は、県内で大変な反響を呼んだ。

  ★ ブログ『祈り仏画展・2014』 Click ⇒
 http://blog.inohara.jp/?cid=39729

写仏(しゃぶつ)は、一枚の紙と一本の筆をご縁に、自分自身の中に存在する【み仏】を紙面に湧出します。そこには生活の中の祈りや生かされて生きている感謝があります。【祈り】とは、特定の宗教ではなく、誰もが持っている心の故郷です。このたび、原爆死没者への鎮魂の意と世界平和を祈って『祈り仏画展』を長崎県で初めて開催いたします。     仏画師・ 安達原 玄

長崎での『祈り仏画展』の開催と来崎を一番切望されていた仏画師・安達原玄先生が、体調を崩され入院された事を教室生の辻森京子氏から聞いたのは、開催の一ヶ月ほど前だった。来崎が叶わなかった安達原先生の健康状態を心配しながらも、関係者全員は『祈り仏画展』の成功のために心を一つにして頑張り、見事大盛況のうちに閉幕したのだった。

その想いとエネルギーが天に通じたのだろうか、安達原先生は奇跡的な回復を遂げられ、現在は新しい作品の制作や教室生の指導に当たられているという。辻森京子氏も作品展が終了した直後から師匠の病魔退散を祈念し『黄不動』の制作に取り掛かった。安達原先生の監修後、『黄不動』が辻森氏の元に帰ってきた事を聞き「是非、観せてください」と彼女に懇願した。


辻森氏が速魚川ギャラリーに自ら持参してくれた『黄不動』を観た時、その鬼気迫る不動明王の表情に言葉を失った。作品は創った人の心と魂を記憶する、というが、病魔に対する辻森氏の恐ろしいほどの情念がひしひしと伝わって来る。「安達原玄先生に作品を観てもらった時『怖い』と言われました」と笑いながら語る辻森氏の表情に、師匠が快癒した事への安堵感が垣間見れた。


背景の深く重厚な色彩を出すために何十回となく慎重に絵具が塗り重ねられた。『黄不動』本体との際立ったコントラストと絶妙な調和が見事に表現されており、必然的に観客の眼は『黄不動』の表情に吸い寄せられるように誘導される。かっと見開いてこちらを凝視する『黄不動』の眼(まなこ)は、我々人間の心底に存在する弱さを射抜き、強い勇気を与えてくれる。「それでも、生きろ!」と喝破されている気がする。










嫌がる作者を説き伏せて撮らせてもらった『黄不動』とのツーショット(上の写真)。時々、彼女の手作り愛妻弁当の≪おすそ分け≫をご主人自ら届けて頂く事があり大変恐縮している。自然の旬の素材にこだわり、手間を惜しまず心を込めて料理されたお弁当を食べる時の幸福感は格別だ。辻森ご夫妻にはいつもお世話になりっ放し・・・本当に有難うございます!!

同じ日に、島原城で【島原城七万石武将隊】の“松倉重昌”に扮し、連日、島原の観光振興に大活躍している林田美樹氏(下の写真)が来店。松倉重昌は関ヶ原の戦いでの武勲を徳川家康から認められ、築城の国内屈指の名手として島原城を築城し初代城主になった武将。林田美樹氏は、昨年『パリ祭 in 島原』のファッションショーでモデルを務めてくれた【恋プロ】のメンバー。聡明で長身の美女は武将姿も絵になる。現在、店内に展示している昭和27年の我が家のひな人形とのツーショット・・・ばっちりマッチングしてますがな!

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【島原城七万石武将隊】公式サイト Click! ⇒  http://shimabarabushoutai.com/

| 『祈り仏画展・2014』 | - | - | posted by ino-haya - -
『祈り仏画展・2014』その2 20:40
本日、長崎市のKTNギャラリーで初日を迎えた『祈り仏画展』を観て来た。8月にこのブログで紹介していたが、いよいよ本日から11月4日まで展示される。その迫力に圧倒された・・・・「仏画」と言えば全国の名刹、古刹や博物館、美術館で観る年代を重ねた風格のあるくすんだ色彩のイメージを持っていたが、現代に描かれた「仏画」は、鮮やかな色彩とくっきりと描かれた輪郭の線によって我々の心に強烈に迫ってくる。考えてみると、数百年前に描かれた当時は、このような鮮明で生々しい「仏画」だったはずだ。

「仏画」の前に立ち、仏の表情と対峙しているうちに危うく涙が出そうになって少し慌てた。「やばい!この感動は何なのだ?」と思った瞬間、長崎市内の友人知人に早く知らせなくては、という衝動に駆られた。これは従来の《アート展》とは全く異なるカテゴリーだ。作品数が多くてブログに写真を掲載できなかったが、6名の教室生によって描かれた同じモチーフの仏画(孔雀明王)は、表情も色彩も様式もそれぞれ全く異なっており「【写仏】とは各人の内面に存在する仏を描くこと」という意味が具体的に理解できた。




巨匠・黒澤明監督の映画『乱』は、若い頃、長崎市内の映画館まで一人で観に行った記憶がある。戦国時代(下剋上)の人間の深い業を描いてあり、シェイクスピアの四大悲劇『リア王』の日本版と言われている。108の煩悩に翻弄され権力欲と嫉妬と謀略の中で、血の繋がった親子兄弟同士が殺し合う悲劇であるが、黒澤明監督は安達原玄先生の《阿弥陀如来》を映画の画面に登場させることで、映画全体のバランスをとっていたと思われる。欲望の限り悪行を重ねた罪深い人間ですらも《阿弥陀如来》は、慈悲深く救いの手を差し伸べるのである。『リア王』と『乱』とは、西洋と東洋の哲学や宗教観あるいは『宇宙観』の違いを際立たせているようだ。










上の三枚の写真が、島原の教室生・T夫人によって描かれた【千手観音像】。毎月一回、山梨県の安達原玄先生の元に出向いて指導を受けながら、何か月もかけて彼女自身の内部に存在する仏と向かい合って完成させた作品である。下の写真の右側の女性がT夫人(勝手に写真を掲載してゴメンナサイ)。時々、ご夫婦で来店しては店でボ〜としている小生を激励してくれる。仏画を紹介してくれた人でもあり、自分にとってホトケ的存在だ。


























































上の写真は、背景に展示してある素描の仏画を描いた教室生。和紙に細い筆で線を描いていく気の遠くなるような工程。しかも一瞬の失敗も許されない。まだ入門して間もないのに恐ろしいほどの集中力と描写力!! 下の写真の3枚が彼女の展示作品。





















| 『祈り仏画展・2014』 | - | - | posted by ino-haya - -
『祈り仏画展・2014』その1 12:16
時々来店される市内在住のT夫人から「現在、千手観音の仏画の制作に取り掛かっています」と、聞いたのは今年の春先だった。【写仏】という世界があることをその時に初めて知った。描写の技術や集中力より、むしろ自分自身の内面に存在する仏、あるいは心と向き合う事が重要になるという。T夫人は月に一度のペースで、仏画界の第一人者である安達原先生の指導を受けるために山梨県まで通った。そして、とうとう念願の『千手観音』を完成させたのである。




昨日、T夫人が「この度、長崎で開催される『祈り仏画展』のチラシができたので、もしよろしかったら速魚川ギャラリーに置いていただけませんか?」と持参された。チラシの裏に掲載されている生徒作品の「千手観音」こそが、彼女が長い時間をかけて自らの「み仏」と向き合い完成させた作品だった(下の写真)。 ・・・・・う〜ん・・凄すぎて言葉が見つからない・・・・

| 『祈り仏画展・2014』 | - | - | posted by ino-haya - -
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