猪原金物店・コラム明治10年に創業。九州で2番目に歴史の金物屋

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
当店前の道路は『一方通行』ですよ〜!! 22:52
最近は、県内外からに限らず海外からレンタカーで来店するお客様が増えている。地元の人なら当店の前の市道(上の町)が【一方通行】であることは認識しているが、初めて来訪する土地勘のない人は、時として【一方通行】と知らずに駅前通り方向に逆走して帰っていく(!?)。これは立派な『道路交通法違反』で、罰金、減点の対象になる。わざわざ島原を訪れてくれたお客様に苦い思いを残したくない。何か対策はないか?と常々考えていた。

当店の駐車場出口の地面に、退出する運転者から見えやすい【一方通行】サインをペンキで描こうと決めて、デザイナーの伊藤英治氏に相談した。「テレビCMで、路上の『トリック・アート』を見たけど、ある角度で急に運転者の眼に飛び込んでくるような・・・」と無理難題を持ちかけたら、快く引き受けてくれた。提案されたデザインは『トリック・アート』というより、もっと次元の異なる意味が込められていた。

「フィボナッチ数列(級数)を使ってみました」と、伊藤氏。自然界や芸術界の美の方程式といわれる《黄金比率=1:1.618》の事だった。1.2.3.5.8.13.21.34.55.89・・・と、前のふたつの数字の合計が次の数字になっていく数列の一種。すると、次の数字は前の数字の1.618倍になる法則性に気づく。この比率こそ、世に《黄金比率》と呼ばれる普遍的な美の基準なのだ。自然界の動植物だけでなく、ダ・ビンチやミケランジェロや北斎や若冲など洋の東西を問わず、芸術作品にはこの《黄金比率》が当てはまるという。

理解などしてないのに、なんか高尚な気分になり俄然、路上ペインティングに意欲が湧いてきた。この単純な思考形態は今も昔も変わらない。ところが、伊藤氏はこの数列による《フィボナッチ螺旋》を使った事にもっと深い意味を込めていたのだ。それは島原半島、とりわけ雲仙普賢岳だった。

























「昨年、【明治日本の産業革命遺産】がユネスコの世界遺産に登録されましたが、実はこの産業革命の実現に島原半島や雲仙普賢岳の果たした役割は非常に大きかったのです。」と、雲仙自然保護官事務所のレンジャーである環境省の岸田宗範氏が教えてくれた。彼は今年3月に宮内庁に転勤になったが、任期中の3年間で島原半島や九州の自然や地質や歴史、文化などを熱心に調査してきた。

  ★過去のコラム『島原半島世界ジオ・パーク』って? ⇒ 
http://blog.inohara.jp/?eid=958344

「明治時代の産業革命にとって、人力に代わるエネルギー源は蒸気機関を動かす石炭でした。当時、国内最大の石炭産出量を誇ったのが福岡の三池炭鉱。当初、採掘した石炭は人夫による人力によって地上に運び出されていましたが、低効率や人的消耗のため馬を使うことになりました。狭い坑道でも重い石炭を運べる馬力ある小型の馬を探したところ、長崎県の対州馬(対馬)と島原馬が候補に挙がり、最終的に島原馬に決定しました。江戸時代から島原藩が改良増産に力を入れてきた馬です。雲仙普賢岳のあちこちの裾野で放牧され、多い時は5000頭以上に及びました。この馬がいなかったら産業革命に不可欠な石炭の採掘量を確保できなかったでしょう。」

「もう一つが、産業革命遺産【富岡製糸場】に代表される養蚕業です。絹糸の輸出は明治時代の富国強兵策の大きな柱で、昭和の戦後まで続きました。絹の原料となる蚕(かいこ)の繭(まゆ)の生産は農家の重要な副業でしたが、蚕が活動する夏から晩秋にかけて農繁期と重なるため、安定供給と増産の目的から、蚕の卵の何割かを低温で一時《冬眠》させて孵化の時期を少しずつずらしたのです。当時は冷蔵庫なんてありませんから、九州全域の養蚕業者は雲仙普賢岳山頂付近の真夏でも氷が採れる【鳩の穴】など9か所の洞窟に蚕の卵の一時《冬眠》を委託したそうです。もし、雲仙普賢岳の洞窟がなかったら、絹の生産増は望めなかったのです。」

「雲仙普賢岳は、佐賀、福岡、熊本、宮崎、大分、鹿児島の九州全県から肉眼で見ることができます(!?)。江戸時代以前の戦国時代、九州全域の大名達は自国の安泰祈願のために普賢岳参詣を欠かさなかったそうです。帝や朝廷、平家など時の権力者たちがわざわざ熊野大社参詣(三重県)をしていたように。そして、現在も【名勝山】と国が認めているのは富士山と普賢岳の2つだけなのです。何か深い理由があるのでしょうか。」と岸田氏は語った。伊藤氏が紹介してくれた《フィボナッチ螺旋とフラクタル構造の研究》の図を見ると、九州のフィボナッチ螺旋の始点(中心)に島原半島、雲仙普賢岳が位置する。これは偶然なのだろうか?









上と下の写真は「フラクタル構造」の典型的な事例で、浅川嘉富著【龍蛇族直系の日本人よ!】に掲載されている図から引用した。“フラクタル” つまり全体と個の自己相似・・・ってことは・・例えば、宇宙と人体や細胞はスケールが違うだけで基本的には同じってこと?・・・う〜ん・・・ 


 
| 当店前は『一方通行』です!! | - | - | posted by ino-haya - -
| 1/1 |