庖丁展示ケース製作・1

2007.03.07 Wednesday

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    当店の店頭に「庖丁 砥ぎます」という板看板を下げているので、家庭の切れなくなった庖丁の砥ぎをよく依頼される。

     持ち込まれる庖丁の種類やメーカーは千差万別である。  中には、ステンレスの板に刃をつけただけみたいな庖丁もあり、研いでもすぐに切れなくなる粗悪品も多い。  当店は昔からの【手砥ぎ】をしているが、砥石に庖丁を当てて砥ぎ始めた瞬間に、その庖丁の氏素性がわかる。 

     粗悪品の庖丁は、すぐに鉄粉が出はじめ、あっという間に砥ぎあがる。  いわゆる【焼き入れ】も満足に処理されていない軟鉄の状態、【なまくら】なのだ。  切れ味も悪いが、すぐに刃先が磨耗してツルツルになり、トマトの皮などをむく時、すべって刃がかからない。   この状態で野菜や果物や魚、肉を切ると、切断面の細胞や組織をつぶして破壊してしまい、食材の美味しさが半減してしまう。   しかし、家庭で庖丁を研ぐ習慣が日本人になくなった現在、残念ながらそれが現状なのである。

     これは金物屋や鍛冶屋の販売や啓蒙活動の努力不足、食(台所)文化の激変、大手販売メーカーの戦略などが原因だろう。   「日本人は、庖丁をはじめ【手道具】を使わなくなった」証拠でもある。 

     「一生使える良い庖丁を多くの日本人に提供する」ために、もっとPRして販売努力しなくてはならない。   それにはまず庖丁自体を観てもらうことである。   そのための展示ケースを製作することになった。      展示スペースの測量をして図面を描き、南島原市小浜町に住む一級技能士・苑田義広氏に図面をFAXし、製作を依頼した。

     添付写真が出来上がってきた庖丁展示ケース。   苑田氏にはいつも無理な注文ばかりしているが、こちらの要求に見事に応えてくれる。   当店オリジナルの魚干し器、踏み台、炭入れ、刃物スタンド、回転収納式大正椅子、木製チリトリなどはすべて苑田氏に依頼したものだ。
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